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北鎌尾根・槍穂縦走(2010/04・05)

北鎌尾根・槍穂縦走記録(2010年4月29日〜5月4日)
Photo_14


メンバー:鈴木裕之(山の会カランクルン)、野木尚子(大阪山の会)

コース・タイム
4.29 13:00平湯16:50−上高地17:10−18:40徳沢園 (行動時間1時間30分)
4.30 徳沢5:45−6:30横尾6:45−8:40槍沢ロッジ−9:50大曲10:00−12:00水俣乗越−14:25北鎌沢出会い
     (行動時間8時間40分)
5. 1 北鎌沢出会い6:00−8:40北鎌のコル9:00−14:00独標−17:00コル(テント)
     (行動時間11時間)
5. 2 コル6:40−8:25北鎌平−11:20槍ヶ岳−12:00槍ヶ岳山荘12:40−13:50中岳−15:35南岳小屋
     (行動時間9時間)
5. 3 南岳小屋6:17−大キレット−14:30北穂14:45−15:30コル−17:20涸沢岳−17:35白出のコル(穂高岳山荘)
     (行動時間11時間20分)
5. 4 白出のコル6:45−8:55白出小屋−9:40穂高平−10:30新穂高温泉(バスで平湯へ11:30)
     (行動時間3時間45分)

4.29 晴れのち曇り
 7:40車で出発、JR高槻で野木さんを乗せ、一路、平湯へ。
 途中、ひるがので大日岳を望むと、見事に雪は無い。2週間前は、山スキーで滑り降りたのに。
 荘川桜に寄る計画もあったが、遅くなりそうであったので、割愛して飛騨清美ICから平湯へ。13:00着。宝タクシー駐車場に入れ、準備を始めたが、あるべき物が無い。頭が混乱し、錯綜した。運動靴で行けるか、大阪まで取りに戻り1日遅らせるか、取りやめになるのか? 松本に登山専門店があることを思い出し、購入できるはず。また、タクシー運転手が上高地の山荘で貸し出しか、販売しているという情報を得て、telで確認してみるが、ちゃんとした物は無いようだ。13:20松本まで車を飛ばし、片道約1時間、携帯でカモシカスポーツ住所、tel番号を調べ、カーナビに入力して、場所を探すが、そこは畑のどまん中、あたりに店らしき物は見あたらない。telしても、要領を得なく、場所がわからない。ちょうど出会った住民に聞いてみると、あっちに行って、左に曲がって、2つめの信号を左に曲がる、とのこと。時間はかかったが、ようやく行き着く。入用の物はちゃんとそろっていた、サイズもある。こっちは時間がせいているのに、店員は時間をかけて足にあうかどうか確かめろ、しばらく店内を見回れ、と言う。靴擦れの危険も考え、余裕のあるサイズにした。アイゼンをあわせ、クレジットで払い、平湯に戻る16:30。【釜トンネルの通行は5:00-19:00】
 さらに、自宅の冷蔵庫に食材(野菜、ベーコン、鰺の南蛮漬け)を入れっぱなしであることも気づく。平湯を16:50にタクシーで出15分、上高地で登山計画書を提出し、17:10歩き始める。ここ上高地は本日午前、雨のち雪、吹雪、雷、突風であったという。前線が通り過ぎたのだろう。明神から明神岳を望み、徳沢園18:40、快適な草地でテント、明るいうちにテントが張れた 1000円、快適なトイレ。ベーコンや野菜のない、玉ねぎと乾燥野菜だけのスープ、海藻サラダ、α米の夕食。寝るのは遅くなってしまった。

4.30 晴れのち曇り、小雪、ガス
 4:00起床、残りのご飯を雑炊にする。
 5:45発。6:30横尾(1615m)雪道があらわれ、スパッツを着用6:45、凍結道もあったが、所々地道がでている。8:40槍沢ロッジ アイゼンを付ける。尾根には雲がかかる。9:50大曲(2120m)右に踏み跡がある。10:00トレースをたどって、のぼる。小雪が降り出し、見通しが利かない、新雪10cmところにより30cm。正面が水俣乗越だが、実はピークを越えた右のコルの方が低く、そちらをたどる方が多いようだ。見通しが利かないし、トレースがよくわからないので、まっすぐ水俣乗越をめざす、小雪、ガス。Photo
12:00水俣乗越(2550m)、雪庇が北側に張り出している。降り口を捜して、立木の見える方にトラバースする。立木の上で、雪庇を切り崩し、キックステップで下降する、約80度あるか。70度ほどの斜面を下るが、所々雪が深い。ときどき雪面を新雪が流れて足元にたまる。ようやくなだらかになると、北鎌尾根、独標がみえる。後方から、2人が降りてくるのが見える。左のコルの方が低く、そちらのほうからトレースがついている。出合はかなり下ることになる。雪面を快適に下り、14:25北鎌沢出合(1840m)。下流からのトレースは無かった。先行パーティ2人、大曲のトレースの主だろう。2番目の入山だ。ヌードルと、スープ。夜になって、風が強くなってくる、小雪も降っている、一睡もできない。後方からの2人はどこに行ったのか、見当たらない、P2に行ったのだろうか。

5. 1 小雪、風強し、のち快晴 
 3時ごろより、隣のテントがごそごそしている。こちらは4:00起きだし、準備。まるたいラーメン。隣は4:10ごろ出発していった。4:30明るくなってくる。6:00発、新雪は2,30cm、北鎌沢右俣、さらに上部では2つに分かれていて、右の沢をたどる。 
8:40北鎌のコル(2530m)、雪が吹き溜まって、埋もれてしまっている。快晴、風も弱くなってきた。
Photo_3
 9:00発、トレースをたどるが、所々雪が深く、ラッセルを強いられる。独標手前でロープを出し、ところどころ凍りついた斜面をスタカット、3ピッチで、14:00独標(2899m)。見晴らしがよい、槍が見事である。コンテで進む、一か所、右に雪面を下っておおきく回り込むところもある、他はだいたい稜線通り。下っていくと、15:15ごろ先行パーティがコルでテントを張っていた。声を掛け合って、当方はもう少し進むことにした。2つほどピークを越えたコル(P13とP14の間か)で、17:00テント(2850m)。北鎌平を目指したのだが、風よけもないだろうし、時間もかかる。四隅をバイルで張り綱を張る。
Photo_4風はどんどん強くなってきて、地吹雪がテントを打つ。予報と違う、天候は安定してきて、風も弱まるはずであった。寒くなることが予想されるため、アンダータイツを着込み、ダウンインナーを着用する。おかげで、寝ている間は寒くはなかった。2日前と同じメニュー。満天の星、強風、地吹雪、フライの音がとてもうるさい、またもや眠られず。

5. 2 強風、ガスのち快晴、のち曇り、夕晴れ
 4:00起床、準備をしていると、6:10ごろ、件のパーティが「ピーカンですよ」と声をかけ、通り過ぎて行った。後で聞いたところ、夜中の強風で、テントポールが折れ、ポールが飛ばされたという。ダンロップテントであった。テントとアイゼン以外は、テントの中で全て準備する、ハーネスも靴も。風もあり、テントの撤収に時間がかかる。
 6:40発、登り降りし、ナイフリッジを通って(記録では1か所15mの懸垂下降とあるが、なんなくクライムダウンできた)、斜面を登ると8:25北鎌平、見晴らしがとてもよい。ここからは登攀である。
急斜面の手前でロープを着け、凍りついた斜面、ナイフリッジを確保しながら進む。結構寒いので、アンダータイツがなかったらとてもじゃないが、我慢できなかったであろう、邪魔になるので、ウェストベルトは外す、肩に直接重力が懸かる。岩の上に氷がついていて、ダブルアックスでよかった。凍った雪の上に新しい雪が積ったためか、シャフトがなかなか刺さらないし、ピックも頼りないところが多い。岩にビレー点を捜したり、スタンディング・アックス・ビレーなどで確保し、30mロープで5ピッチ、岩混じりの急斜面を右に回り込むように登って(チムニーは雪で埋もれていたようだ、ふくらはぎが張っている、つりそうな感じ)、11:20槍ヶ岳にようやくたどりつく。ここまでは、われわれ2P4人のみであった。槍に来て、一般の人がけっこう多い。梯子を下り、凍りついた斜面を下って、12:00槍ヶ岳山荘、先行パーティはここで上高地の方(横尾)に下るという。
Photo_6
 12:40発、3000mの稜線を漫歩しながら進むが、東側にかなりの雪庇が(2〜5m)出ていて、所々雪面に割れ目ができている。できるだけ、割れ目の西側に進路をとって進む。大喰岳、13:50中岳と進み、15:05 南岳まで来ると、小屋が見えるが、雪に埋まっていて、小屋の陰は無さそうである。15:35南岳小屋(2930m)冬季小屋の入口は見えるが、雪が溜まっていて、凍りついている、ちょうど小屋との間に窪みができているので、そこを整地することにする。フライは音がうるさいので、張らないことにした。夜になって弱風が出てきたが、窪地なのでそれほど影響はない、稜線上は雲がかかる。レシーバで交信してみたが、誰も出ない。α米と春雨、スープ
Photo_8

5. 3 快晴
 3:30の予定であったのに、起床3:45、6:17発、大キレットをコルに向けてクライムダウン、ペンキマークはところどころ出ている。残置シュリンゲもあったが、クライムダウンできるところを探して、下る。キレットのコル8:40ころ。トレースは所々途切れる。登り降りを繰り返す。
 北穂の下10:00ころ。ここから北穂の登攀だ。ロープをつけ、30mロープで9ピッチほど、ツルベで登る。なかなか、確保点はない、ひっかけられるような岩の裂け目を捜してアンカーをとったり、シャフトやピックを差し込んでスタンディング・アックス・ビレーをしたりしながら確保する。30mではなかなかビレー点に届かないこともあった、あと2mで岩にたどり着くのになあ、というかんじだ。途中、確保器を落としてしまう、目で追うことはできなかったが、斜面を落ちて行ったようだ。後はカラビナに半マスト結び(フリクションヒッチ、ハーフノット)を使う。氷で覆われた斜面、氷の上に雪が積もった斜面、やせ尾根。先行P3人に追いつく、待ったりしたが、時間もかかりそうであったので、追い抜くことにした。Photo_11トレースは、ほぼ稜線通し、しかしトレースが途切れる、左の向こうの方に踏み跡らしき物が見えるが、はっきりしない、まっすぐ上にぬけるか、左に雪壁をトラバースするか、隣のPはこのあたりにトラバースがあったと言う。左にトラバースして岩にアンカーを取って、見てみると岩の向こう側に雪面が見え、登れそうである。隣のPもこのトラバースルートを採るという。雪面を登って、稜線に出る、やせ尾根だ。ここを通過すると、次は雪の斜面、ロープを外して60度ほどの斜面をダブルアックスで登る。けっこう長い斜面の上に人が見える。長い長い斜面(けっこう締まっている)を登り終えたところが北穂高小屋であった。ふくらはぎが痛い。Photo_9
 14:30北穂高小屋、ずいぶん時間がかかった、人ごみ、皆のんびりと日なたぼっこをしている。ここからはトレースがわんさとついている。コルに下って15:30、ここから登りである。トレースも少ない。先行パーティが登っているのが見える。飛騨泣き、はじめは鎖も出ていたが、それも氷に覆われたところで、梯子にセルフビレーを取ってロープをつける。口がとても渇き、500mlペットボトルを飲み干してしまい、野木さんから水をもらう。ツルベで登り、スタカット2ピッチ、後はコンテ。先行P4人は16:10涸沢岳の下の広いコルでテント。コンテで進み、雪壁を登って、張り出した雪庇を切ると、涸沢岳(西尾根)に出た17:20、兵庫の人が遭難した蒲田富士もきれいに見える。後は下りのみ。先ずは涸沢岳を通過し、穂高岳山荘が見える、岩が露出した急斜面を下る。穂高岳山荘17:40着(2950m)。遅くなってしまった、まもなく暗くなる。行動時間11時間20分、疲れた。
 幕営証(整地してないとのことで、無料であった)を取りに行っている間に、ピッケルで整地。テントは他に4張り、けっこうすいている。18時前、レシーバで交信、ただ1人大阪ぽっぽ会の早川さんが応答してくれた、7人で来ているとのこと。しばらく開局していたが、誰からも交信は無かった。今晩の食担は野木さん、α米と、はるさめ、海藻サラダ。気温も上がってきている。
Photo_12最後の夜、あす奥穂にピストンするかどうか協議したが、こだわりは無いということで、あすはすぐに下って、早めに帰途につくことにした。風もなく、満天の星、ほぼ穏やかな夜。(小屋で聞いたところ、この1週間で1.5mの新しい積雪があった、という。また2日には乗越直下、涸沢側ザイテングラードで雪崩があったとのこと)

5. 4  曇り後高曇り(かすみ)
 4:00起床、朝食ラーメン、片づけて、小屋に入って準備をする。トイレもゆっくりできる。
 6:45発、トイレの横から白出沢に出る、割と緩やかな斜面だ。まずまず締っていて、快調に下れる。途中、滝の手前で、夏道に沿う形で右岸を高巻きするようだ。樹林帯、笹をかき分けて下る。先行者1人。ひと方下ると、隣の支沢にでる、途中、沢の中にテントの跡もあった、怖くないだろうか。ずっと、沢の中、雪の上を進むと、もう1500m近い。左岸に上がって、アイゼンを外す。そこは、白出小屋8:55、夏道の登り口であった。林道を行く間に、蕗の薹を摘む。9:40穂高平小屋によって、新穂高温泉バス停に着く10:30、下山届を出し、バスチケットを購入。10:55バス、平湯11:30
 平湯で温泉にゆっくり入り、軽食を採ろうとしたら、長蛇の列、早速車で帰途に就く13:30。先ず、事前に下調べをしておいた、飛騨清見ICに近い小鳥峠(おどりとうげ)(R158)によって14:40、水芭蕉を鑑賞する。ふだん見る水芭蕉よりもずいぶん小ぶりである、たぶんこれが本来なのだろう。15:15発、自動車道はけっこう渋滞し、時間が掛かる。SAも入るのに長蛇の列なので、すべてパスする。寄ったのは養老SAのみ。
阪急高槻20:30、自宅20:45着、するとそこ(駐車場)には登山靴の入った袋があった。

(総括)
 帰宅してみたら、食料が大量に余っている、1.1kg、おもにα米だ。予備食も持っているのだが、それにしても持ちすぎ、食料計画を間違えたようだ。α米1袋で夕食1回と計画したが、これで朝食も含めて、2回分いけたのが、計画違いの元。600gは軽量化できた。
 また、大した登攀もないだろうということで、アンカーテープを持参しなかったが、例年にない積雪と氷で、かなり登攀があり、ビレーが必要になった。そのかわり、懸垂下降は1回もなかった。また、例年よりも時間がかなり掛かったようである。
 それと同じ理由で、はじめは考えていなかったダブルアックスは有効であった。直前の寒気団流入で、計画に加えた。
 時期が早いためか、登山者が少ない、槍−穂 間も少なかった。
 ガスは、普通用では火力が下がるので、寒冷地用(P+)が必要。
 ヘッドランプもLEDになって性能が良くなり、電池のもちが良くなったので、気にせず使えてとても助かる。
 ロープ30mは、声が届くので、登りやすい。
 直前の29日の予報を見て、1日遅らせたのは正解であった。
 いつもの春山では持っていかないアンダータイツとダウンインナーは役に立った。

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コメント

追伸
5.3 北穂の北面・雪壁200mほどを登って、北穂小屋に着くと、「還暦ですか」と言われ、とても落ち込んだことを思い出しました。
まだ58で、若いつもりだったのに。髪が白っぽくなっていて老けているように見られたのか。そんな人がこんな雪壁を登ってきたことに驚いたようだ。
わたしも、昔山を始めたころ、山の上で壮年の方が登っていることに驚いたことを思い出します。

投稿: すずき | 2014年4月11日 (金) 01時30分

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