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3.キタラフ北壁

3.キタラフ北壁
P6290289
7.1 AM0時半 起床、AM1時 朝食、AM2時半 出発。
風が結構強いが、天気は良さそうなので出発する。ヘッドランプを付け、ロープでつながってキタラフの取りつきまで歩いていく。しばらくはなだらかな雪道。だんだん急になってきて、アイゼンをしっかり蹴り込みながら1時間ほど登ると、取りつきに。AM3時半、北壁取りつき地点。
5mほどの氷の壁から始まる。3人一組でつながり、しっかりとアックスとアイゼンを利かせて登って行く。傾斜は、45度~55度程度らしい。しかし、今日も先行者からの落氷はあり、何度か受ける。仕方がないが、痛い。またアザが増える。


キタラフ北壁は、アルパマヨより2ピッチほど長いように思った。傾斜が緩い分、多少ふくらはぎはラク。AM6時半過ぎ、空が明るくなりはじめ、峰々のシルエットが周りに浮かびあがってくる。飲み込まれそうな素晴らしいローケーションの中に自分が今いる。こんなスゴい景色の中に居られて、登ることができて最高だなあ、と今日も思いながら進む。ひたすら上をめざし、アックスを振る。P7010361
AM8時半、最後にある急な壁を乗り越すと、無事稜線上に抜け出た。遮るものがなく目の前に一気に景色が広がる。振り返ると、アルパマヨやサンタクルスがよく見えた。山頂は、さらにここから1時間ほど稜線上を伝っていった場所になる。雪庇が南壁方面に大きく張り出しているので、注意して進む。
AM9時半、こんもりとした雪庇に覆われたキノコの様な山頂6036mに到達。やったあ、キタラフ北壁も登頂だ、うれしい。支えてくれたスタッフや応援してくれる皆さんに、再度感謝。今日も恵まれて、快晴。皆で青空の下、記念撮影。
風が強く、じっとしていると寒いので、さっさと下山にかかる。稜線を慎重に戻り、またひたすら長ーいルートを懸垂下降で下る。12時半、取りつき地点。
13時、HC着。
HC待っていてくれたキッチンスタッフたちとハグをして喜びを共有し感謝を述べる。メンバーとも握手しあい、今回の2座の成功を喜ぶ。予定された山行はこれですべて完登。よかったあー。不安と緊張だらけの山行から、ようやく解放される。
実のところ、緊張からか、HCに上がってからはずっと胃腸がシクシクと痛んでいた。疲れたので、昼食をとり、片づけもそこそこに、サッサとテントで休む。明日は下界のBCに戻れる。土の上で寝られるぞ。
             
7.2 真夜中、アルパマヨに取りつくパーティーの通過する音と声が聞こえ目が覚める。しばらくして、上と下とでコールしながら登っている声がよく通り、聞こえてくる。ああ、今日も誰か頑張って登ってるんだなあ、と思いながらウトウトとする。
日が昇り、明るくなってから起床。朝から青空の広がるいい天気だ。今日は、BCまでの標高差1000mを下る。
AM9時30分、荷物をまとめ、HCを撤収し、出発。アルパマヨとキタラフに、名残おしいがサヨナラし、見納める。今から登る予定の多くの隊のテントが張ってあるHC横を通過していく。女性のクライマーもいて、気になるのか、声をかけてくれる。今回はどういう予定で入って、どこを登ったのか、と聞かれた。ピスコで順応してから、アルパマヨとキタラフに登ったと返事すると、なるほどね、登頂おめでとう、すばらしい、と言ってくれた。お礼を述べて別れる。しかし、どこの国から来た方だったのか、聞くのを忘れた。
この先の氷河の下りも、まだ懸垂下降が3回ある。腕や足は疲れて重いが、慎重にセットして下る。クレバスを迂回し、小さいものは飛び越える。AM11時50分、氷河の取りつき地点。氷河がようやく終わったので、アイゼンとハーネスを外す。
ここで、下のBCにいたスタッフが、昼食を作り持って上がって、待っていた。その昼食をここで頂く。空気が濃くなったためか、内臓の働きもよくなった様で、よく食べられる。野菜と鶏肉の炒めもの、ゆでジャガイモ、玉子焼き、クラッカー。おいしい。久々にしっかり食べた。上部では、スープ類の軽いものしか食べられなかったから。
お腹を満たし、今度はモレーン状のガレ場を、足場を崩さないよう慎重に下っていく。途中から、下のBCの色とりどりのテン場と緑が見えはじめる。だんだん空気が濃くなってくるのを感じ、呼吸が楽になってくる。13時半、BC4300m到着。土の上に無事帰ってきた。皆で万歳三唱する。
ホっと休憩している間に、ポーターたちが、下ろしてきたテントをサッサと張ってくれる。テントに入ると、熱めのウォッシングボールが運ばれてくる。数日ぶりに顔を洗う。標高が下がった分だけ、気温も暖かいので、薄手の服に着替え身軽になる。日のある内に、濡れたギア類や靴を乾かす。
夕飯は、久しぶりのダイニングテントで椅子に座って摂る。豚肉のしょうが焼き風とジャガイモ、白ごはん、サラダ、チーズ。最後は、キッチンスタッフが目の前で炎をつけてフランベしてくれた焼きリンゴ。華やかで、いい香りが漂う。ごちそう。いろんなハーブも一緒に入っている様で、とても美味。
明日は、この大きなサンタクルス谷を下り、ワラスの町まで下る予定。朝が早いので、話もそこそこにし、就寝。
星空が広がり、こんなに星って多かったのか、というくらい無数に見える。所せましと星で空が埋め尽くされて賑やかな感じ。天の川もきれいに見えた。
             
7.3 AM5時半 起床、AM6時 朝食、AM7時 BC4300m出発。
今日は、来るときに2日かけて登ってきたサンタクルス谷を下り、ワラスのホテルまで行く予定。谷の入り口のカシャパンパ村2900mまでは、7時間ほどの長いトレッキングだ。重い荷物はロバに預け、身軽になって歩く。
下る正面には、アルテソンラフ、左後方にはタウリラフの印象的な鋭鋒が朝日に照らされ輝いている。どちらもブランカ山群では有名な山。それらを眺めながら、下っていく。赤、黄、紫、白等の花々がたくさん咲いているので、時折ガイドに解説してもらいながら歩く。
AM9時過ぎ、途中の湖のハトゥンコーチャ3800mで休憩。AM11時半、来るときに泊まったラマコラル3760mのテン場で再度休憩。あとは一気に谷の入り口まで下る。だんだん標高が下がるにつれ、暑くなり汗が流れ落ちる。途中で、これから登る登山隊の荷物を積んだロバと何度もすれ違う。シーズンはまだまだこれからの様だ。
ドンドン下り、13時10分、ようやく入り口のカシャパンパ村2900mに到着。長かった。かなりハイペースで歩いてこの時間。最後までタフな行程。
入り口の広場で、先に着いていたキッチンスタッフが昼食を用意してくれていたので、それを頂く。これが最後の山食。白トウモロコシをゆでたもの、ツナと野菜のサラダ、ゆでじゃがいも、鶏肉の焼いたものとクラッカー。どれもシンプルな味で食べやすくおいしい。村の売店でジュースやビールを買って乾杯する。
14時、山行がこれで終わるので、今回お世話になったスタッフ達とあいさつをして、お礼を述べる。昨年のワスカランの時にもお世話になった同じスタッフもいたので今回少しは顔と名前を覚えられたかな。そして、荷物を車に積み込み、カシャパンパを後にする。3時間ほどゆられて、にぎやかなワラスの町へ。
17時過ぎ、ワラスのホテルに到着。これで9日ぶりにお風呂に入れる。うれしい。垢を落し、焼けた顔とアザだらけの身体を確認する。ひどいなあ。ま、仕方ない。そのうち治るさ。
ネット環境に帰ってきたのでパソコンを取り出し、登頂の連絡をカランクルンに入れた。
19時、荷物はとりあえずバラバラにしたまま、外のレストランに食事に出る。打ち上げだ。地元で人気のあるレストランで、混んでいる。ステーキやピザを頼むが量が多いので皆で分けて食べる。地元のクスケーニャというビールでとりあえず乾杯し、他の方はワインも頼んで飲んでいた。タカマというペルーのワインはかなりおいしいらしい。食事をしながら、山の話をする。次の山の話も出て、あそこもここも登りたいなあ、と尽きない。わいわいと言いたいことを言って過ごし、ホテルに帰って、荷物の整理もせず今日は就寝。準備は明日の朝やろう。
             
7.4 AM6時起床。久々にベットでぐっすり眠った。朝まで寒さを感じずに寝むれたのは久々。快適。ボーっとしながら起きて、お茶を飲んで目を覚ます。今日は、午前中にお土産を買いにワラスの町をぶらつく。そして昼からは現地のエージェントがおもてなしで、パチャマンカという伝統料理の石焼料理を作ってくれるらしいので、そちらに伺う予定。昨年のワスカランの後にも呼んで頂いた事がある。P7040522_2
パチャマンカの作り方は、まず地面の土を掘り、穴に石を敷き詰め窯上に組み上げ、その中に草木に火をつけたものをいれてその石をしっかりと熱する。その後草木を取り除き、食材を熱い石の上に並べていく。再び、熱い石や草木を覆いかぶせ、さらに砂もかけて熱が逃げないよう封をする。そして待つこと30分。そののち、スコップで砂や石を取り除き、食材を取り出す。食材がじんわりと中まで火の通った状態になっている。今回の食材は、バナナの葉にくるんだ鶏肉、魚、牛肉。あと白、赤、紫色のじゃがいも。それから、さやごとの空豆。ふっくらジューシーに仕上がって、とてもおいしいのだ。つけダレとして出してくれるお手製の黄色いアヒ(チリ)ソースが美味。地元では定番のソースらしい。
市場にはいろいろ売っているが、とうがらしも沢山の種類があり、辛さも色も大きさもさまざま。種の部分は激辛なので、決して使ってはいけない、とキッチンスタッフが忠告してくれた。
エージェントの方のお庭で、このパチャマンカが出来上がるのを待ちながら、のんびり過ごす。あとは、チーズやサラダ、果物、クイ(テンジクネズミ)の素揚げを出してくれた。クイは、昔からこの山岳地方の方々の貴重なタンパク源。おもてなし料理だ。各家庭で何匹も飼っている。鶏肉のような味で、おいしい。形が結構はっきりしているので、ダメな方はダメなようだ。
ゆるりとした時間を過ごし、15時、そろそろお暇する。またペルーに来てくださいね、とエージェントの方々に見送られて分かれる。
今日はこれからホテルに戻り、荷物を車に積み込み、リマの空港へ。真夜中のフライトだ。バタバタと用意して、ワラスの町を離れる。ワラスからリマまでは車で6時間ほどかかる。なかなか距離がある。お腹もいっぱいになり、ゆられながら車中でうとうとする。山岳地帯から、海岸沿いの海抜0mまで一気に下っていく。23時、リマの空港にようやく到着。長かった。
手続きをして、荷物を預け、2時55分の飛行機に乗り込み、ペルーを後にした。
             
7.5 2時55分、リマ出国=トロント(乗り継ぎ)
7.6 トロント=羽田(帰国)=伊丹
              ~~終了~~
             
*今回の南米の山は、自分にとって課題だらけの山行であり、慣れない事も多くなかなか大変だった。特に今回は、精神面の力が強く要求されたように感じた。貴重ないい経験が今回できたので、次にむけてまたやっていきたい。南米には、まだまだいい山がいっぱいあり、現地の方々の気質も明るく楽しいので、また時間を見つけて、行きたいなあ~
るみこ



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